クレジットカード現金化をすると自己破産ができなくなるという噂は本当か
クレジットカード現金化を行うと自己破産ができないという話を聞いた人は、既に行ってしまっていると不安に駆られてしまうでしょう。
しかし、必ずしもクレジットカード現金化を行ったからといって自己破産に影響が出るとは限りません。
では、どのような点に注意すればクレジットカード現金化を行っても問題ないのでしょうか。
クレジットカード現金化を行っても自己破産申し立ては可能
クレジットカード現金化を行うことと、自己破産の申し立てはそもそも全くの別問題です。
なぜなら、自己破産は最後に自己破産申し立てを行ってから7年経過していれば、再度誰でも行える法的整理だからです。
クレジットカード現金化を行うと自己破産できないという話は、クレジットカード会社と司法書士が啓蒙のために行っている可能性があります。
司法書士は認定司法書士であっても代理人となれるのが簡易裁判所に限られるので、地方裁判所への申し立てが行われる自己破産では代理人となれません。
弁護士へ相談するとクレジットカード現金化を行った過去があったとしても、自己破産申し立てをしてくれることが珍しくない状況です。
クレジットカード現金化を行うと免責許可が下りにくくなる点に注意
クレジットカード現金化を行った結果として影響が出る部分は、自己破産と同時に申し立てる破産免責申請が認められない可能性です。
破産法に定められた免責不許可事由には、支払不能後の処分行為と詐術による信用取引という項目があります。
クレジットカード決済にて購入した商品を転売したことに対して、免責不許可事由に該当するとして返済義務が残ってしまうことがあるわけです。
免責不許可事由に該当しても裁量免責が行われることが多い
初めて自己破産を行う際には、免責不許可事由に該当していてもクレジットカード現金化を行った程度ならば裁量免責で破産免責決定を受けられることが多いです。
なぜなら、クレジットカードを使ったショッピングは日常的に行われていて、購入した商品を苦しくて売ってしまったことは多重債務者ならばあり得るからです。
余裕が無い状態では判断能力が欠如しやすく、追い込まれた結果として行ってしまったこととして悪質だと判断されないことがあります。
クレジットカード現金化とショッピング利用の区別が明確には難しい
明らかにクレジットカードの使い方が不自然という状況が無い限りは、クレジットカード現金化目的と当初は自分で使う目的の区別はつきにくいです。
クレジットカード会社の利用規約には抵触していても、既にクレジットカード利用停止や強制解約という状況に至っているならば制裁を受けています。
法的には違法ではないクレジットカード現金化方法としてキャッシュバック方式もあるので、ショッピング利用を行っただけと主張すれば区別は困難です。
そこで、正直に自己破産申し立てを行った際にクレジットカード現金化を行いましたと申立書に記載したならば、裁量免責の対象としても良いという考え方があります。
自己破産手続きは債務を確定させて再出発を果たすために行うものであって、再出発を妨げる原因を残すことは法の趣旨に反します。
クレジットカード会社にバレていなければ自己破産に支障なし
クレジットカード現金化を自分で行っていた場合には、クレジットカード会社のシステムと目視確認により現金化を行った事実がバレてしまいます。
しかし、クレジットカード現金化業者を使った場合には、独自のノウハウにより現金化を行った事実が分からないように処理されているはずです。
このため、ショッピング利用を普通に行った場合と区別がつかないからこそ、クレジットカード会社にバレていない生活に必要な買い物と申告できます。
クレジットカード現金化業者が摘発されない限りは口を割ることがない
クレジットカード現金化業者が摘発された事例はごくわずかしか存在せず、老舗現金化業者の多くは現在も営業を継続しています。
ショッピング枠を現金化したかどうかは、利用者が口を割らない限りはクレジットカード現金化業者が自ら話すことはありません。
このため、クレジットカード現金化を行ったとしても自分で現金化したわけでなければ、自己破産を行う際に申告すらしなくても影響ないケースが多いです。
当然のごとく破産免責決定が後から取り消しとならないようにするためにも、クレジットカード現金化を行った事実を申立書に記載することが望ましいでしょう。
しかし、バレル心配がほとんど無い状態にも関わらず全てを告白することが良いのかどうかは、最終的に各個人が自分で判断することになります。
まとめ
クレジットカード現金化を行うと、いかにも自己破産申し立てができないかのような口コミがありますが事実は異なります。
自己破産申し立ては債務状況を確定させるための破産手続きであって、クレジットカード現金化が影響するのは破産免責決定が得られるかどうかという点です。
破産法上はクレジットカード現金化が免責不許可事由に該当するものの、実務では裁判官による裁量免責が行われることが多い傾向にあります。
自己破産後の生活再建へ真剣に取り組む姿勢を示すことが何よりも重要です。